遠近両用レンズとは

わたしも老視(老眼)になって、初めて遠近両用レンズのことがわかった気がします。
普通の人なら「老眼」=「年取った」という印象で、少なからずショックを感じるものだと
思います。私自身も同様でしたが、そこは職業としている者の悲しさ?実は「やっと遠
近両用レンズが試せる!!」というひそかな喜びもあったりします。

◎レンズデザインによる種類

1、境目のない遠近両用レンズ

これは通称「バリラックスタイプ」と呼ばれているもので、今は一番一般的になっている
ものです。プラスチック製がほとんどですが一部ガラス製のものもあります。
○長所
 「境目がない」ので見た目がスッキリ。他人から見て老眼が入っているとわかりません。(ただしメガネのプロは見分けられます!)
 遠距離と読書などの近距離の他に1m先のような中間距離もあごの上げ下げでピントを合わせる事が出来ます。
 
 TVを見ながら新聞を読むなどの動作がひとつのメガネで出来、とても便利。

×短所
 遠距離はそのまま見ることが出来ますが、近距離はレンズのきんよう部分がレンズ
下部にあるので、そこを視線が通るためにあごを出し気味で見る必要がある。
また、同様の理由で本を立ててみると上下にピントが合う範囲が少なくなるので、机に置くなりやや平べったくして見る必要がある。
 
 レンズの周辺部にボケル部分があり、その結果横目が聞きにくい。
 レンズ下部に老眼が入っているので階段を下りるとき、段差を踏み越えるときなどに
まごつくことがある。

2、境目のある遠近両用レンズ

バイフォーカルレンズ、二重焦点レンズなどと呼ばれています。昔からあった遠近両用レ
ンズで遠用部と近用部の境目に筋があります。
○長所
遠用部も近用部も境目のないタイプより広くクッキリ見えます。

×短所
筋の所はボケルので、メガネのフィッテングがうまくいってないとイライラする。
他人からも「筋」がわかるので「老眼入りだ」とばれてしまう。

さて、1と2の当店の比率は20年前(1990年)ごろは6:4でしたが、昨年2007年は
9:1となり、境目のないタイプが俄然多くなってきました。
 ただし、見た目を気にしない方で近用作業が多い男性の方は「2」のタイプを選ばれる
比率が多いです。
 当店では両方のタイプの試験レンズを装用していただき、実際に体験してもらってから
選んでいただいています。

さて、今までの経験から遠近両用レンズ(メガネ)を誤解されている方も多いようなで
簡単に説明をさせていただきたいと思います。


トピック・遠近両用メガネ勘違いなお客様1

     「境目のない遠近両用レンズにすればそのままで、遠くを見たいときにはピントが合い、近くを
見れば、近くにピントが合うと思っていた!!」とおっしゃったお客様がいらっしゃいました。
  ご自分の「目」が新しくなるわけではないので、そこまではまだできません。ようするに現在は「レンズに
合わせて見えるところで見ていただいている」というのが実情です。