3、クランクケース(腰下)組立(その3





 そうしたら左右のクランクケースをジョイントしているボルト6本を締めます。
6本のボルトは対角締めといって対角状に締めていってください(歪んで
締まるのを防ぎます)。締付トルク0.9kg/m、ものすごく軽いトルクですので
くれぐれも締めすぎに注意。




 ●この状態で一度手でクランクを回転させてください。
スムーズに回らなければおかしいです(ちゃんとクランクのセンターが出ていない、ベアリングにセリが出てしまっている、左右のクランクケースをクランクインストーラーでムリに密着させている等)。ここが如何にスムーズに回るかでエンジンの「回りっぷり」が決まると思います。ここでスムーズに回るクランクは高回転までキレイに回ってくれる・・・ハズです(爆)。

 バイク屋さんですとスクーターレベルにここまで気を使って組んでいるバイク屋さんはないのではないでしょうか・・・。





 あとはクランクの両端についているクランクのシールを打ち込みます。
打ち込む前にシールの内側にシリコングリスを塗布。クランクシャフトとの
馴染みを良くする為です。





まず手である程度の所までセットしていって・・・





 先ほどのクランクインストーラーの外側の筒の部分で指定の位置まで
押し込んでセットします。
指定の位置とは・・・プーリー側の場合はクランクケースのツラの部分とツライチ、
ローター側は5mmほど押し込んだ位置です。





 こんな感じ。
うっすらとグレーに見えているのは実は液体ガスケットです。
シールをセット後に液体ガスケットを塗るというか・・・外周部のリップ部のく窪みに
埋めるように塗っています。ここはグリスを塗る人や何もしない等いろんな意見があ
りますが私は「念のための抜け止め」としてシールとクランクケースの密着部を
ガスケットで「隙間埋め」する感じで塗っています。