(05年7月10日)AF18Eエンジン組み立てその2




ギアケースの組立が終わって次は腰下を組み上げです。
ここでいつも問題になるのがクランクシャフト。
中古のエンジンだけにどんな使われ方をしているか分からないだけに
クランクは交換かOHになります。
 新品のクランクはもう入手不可なのでクランクの芯出しと大端ベアリング、
サイドワッシャ、クランクピン(ここらへんのショートパーツはスーパーDioと同系
EGなので部品入手可)を交換という形になりました。





 作業はご存じ井上ボーリングさんに依頼しました。右下が交換したクランクピン、
大ベアリング、サイドワッシャx2です。
余談なのですが元のクランクピンを見ると斜めに荷重が掛かった跡があります。
要するに以前の組立時にちゃんと正対した方向から圧入していないというコト
ですよね(^^;)。





 クランクベアリングをセット。サービスマニュアルの様にブッ叩くなんてしません。
ベアリングは冷凍庫でキンキンに冷やして、ケースはファンヒーターに当てて暖めて
おきます。そうすると金属の温度膨張を使えますので叩くなんてコトをしなくても・・・
「スコッ」っと入ります。ただしモタモタしていると取り返しがつかなくなりますので
慎重かつ大胆に(笑)。






 そうしたらクランクインストーラーという特殊工具を使ってクランクをベアリング
内周部に引っ張り込んでセットします。
 ただゴリゴリと止まるとこまで引っ張るなどということは厳禁です(表現が難しい
のですが・・・これをやると左右のクランクケースを接合した時に左右のベアリングの
セリが合わなくなるので回りが渋くなりOHした意味が無いです)。ちゃんとノギスを
使ってコンロッドが中間点の位置になるように引っ張ります。

 ちなみに上の画像のように片手で作業できるハズがありませんので(笑)ちゃんと
両手を使って作業しましょう。





 そうしたらクランクケース左右の接合面に液体ガスケット塗布。薄〜く。





 ブレていますがこんな感じで今度はケースを押し出す感じで左右のクランクケース
を接触した寸前で止めて引き込んで完了。左右のクランクケースの接合はジェネ
レーター側から通す6本のボルト(0.9kg/mとかなり弱いトルク)で接合します。

もし回らない&極端に周りが渋い場合は・・・残念ながらもう一回やり直し(超面倒&
クランクベアリングは交換要)。逆に言い換えるとここがいかにスムーズに
回転するか同かでエンジンの「回りっぷり」に差が出ると・・・思います。





 左右のクランクのシールをインストーラーの筒部を使って打ち込み作業終了。
ライブのエンジンから数えて結構組んでいるので最近は下準備さえしっかり
やっておけば腰下だけなら30分もあればできる様になりました。