さくらの満開の日わたしは出会ったよ・・本当に好きな人に・・・
第1話 きれいな桜
「今年もきれいに咲いたな〜」一夏(いちか)は桜を見ながら一言つぶやきました。
すると後ろから声がしました。「ほんとにきれいだね!」振り向くと後ろには一夏の
親友、永野未来(ながのみき)が来ていました。びっくりしながら
「あっ、未来おはよ〜」と一夏が言うとにっこりほほえみながら「一夏、おはよう」と言いました。
すると南から春風がすっと、通り抜け桜の花びらがぱっと散りました。
「今日から6年生、最後の一年間がんばろうね。」と未来が言うと一夏は「うん」と
うなずき「もうじき卒業だね」と言いました。そして、二人で空を見上げこう言いました。
「卒業してもず〜と、友達だよ」て・・・。
「そういえば優一どうしているかな?あれから連絡ないの?」と未来が聞いた。
(優一とは幼稚園のときの友達で小学校に入る前に両親の仕事の都合で引っ越して
しまい別れてしまった。(一夏は少し優一のことが好きだった。)
すると一夏が「今年の1月までは手紙がきていたけれど、最近はまったくこなくなって・・・」と悲しそうな顔で言いました。
「そうか・・・。便りの無いのは元気の証拠ってよくいうでしょ。だから大丈夫だよ!」
「一夏のこと忘れたら私が許さないんだから・・・ね。」と未来が言いました。
はじめは悲しそうな顔をしながらもしばらく時間が過ぎると「そうだよね!」と
にっこりしながら言いました。
2話へつづく
第2話 あっ、遅刻しちゃうよ〜
「あっ〜」一夏が大きな声で叫びました。
「どうしたの?」と未来。「なにか聞こえない?」
二人が耳をすまして聞いてみると「やっぱりこの音チャイムじゃない?」と一夏。
「そうだね・・チャイムだね」とおっとりしながら未来が言いました。
「急がなくていいの?」「一夏こそ急がなくていいの?」
二人は目をあわせ「あっ〜また遅刻だ〜」といいながら学校に走っていきました。
二人は息を「ゼイゼイ、はぁはぁ」しながら教室に入っていきました。
「おはよう、先生まだ来てないよ」と友達の友美。二人は友美に「おはよ〜」と
言いながら席につきました。「よかったね!先生まだ来てなくて」と友美。
「うん(^−^」と一夏がうなずきました。「でも今日は何で遅刻したの?」と
友美が聞くとにっこりしながら「さくらを見ていたの」と一夏が答えました。
「そうか・・・。一夏、お花の中でさくらが一番好きだもんね(^−^」と友美。
「未来と見てたの、偶然会ってね。」一夏が言うと未来が友美のほうを見て
ニッコとほほえみました。そしてそのほほえみの意味がわかったように友美も
にっことわらいました。「なにがおかしいの?」と一夏が聞くと何でもないよと
もう一度わらいました。
第3話へつづく
第3話 帰ってきた優一
第4話
二人が桜の木の下で話をしていると後ろから声がしました。
「やぁ〜。春なのにここだけ暑いね、ポチ。」
一夏はびっくりして後ろを振り向くと一夏の妹、加奈がにこにこしながらこちらに向かって歩いて来ました。
「加奈。何でこんなところにいるの。」と一夏は顔を赤く染めて恥ずかしそうに言いました。
「だって私、今日ぽちの散歩当番の日だもん。忘れちゃったの?ポチも桜が見たいみたいでここまで
引っ張られて来ちゃった。」と加奈はにこっとした顔で言いました。
「でも『ここだけ暑い』ってどう言うことよ。」と一夏は半分怒りながら言いました。加奈はニッコとほほえみながら一夏のことを見ました。
「何よ〜。」一夏のほっぺたが、ふと赤くなりました。
「本当に昔から変わらないね。」と優一が言うと加奈が優一の方を見ました。すると加奈はびっくりした顔で言いました。
「優一兄ちゃん?」
「加奈、知らないで言ってたの?」と一夏が言うと「そう言えば昔優一兄ちゃんが住んでいた家工事してたな〜。」と
思い出しながら加奈がいいました。
「じゃ家でジュースでも飲もうよ。」1拍間が空いてから加奈が言いました。
「そうだね、ちょうど帰ってからホットケーキ作ろうと思ってたから・・・。優一くんいまから来れる?」
一夏がたずねると「いいよ。今日はちょうど5時ごろまで大丈夫。」と優一が言うと
「じゃ、今すぐ行こうまだ3時50分。あと1時間くらいだから。」と加奈は二人の手を引っ張りながら走りだしました。
「そんなに引っ張らないでよ。」一夏はそう言いながらもうれしそうにしていました。
一夏の家に着くと「優一兄ちゃんはお客さんだからここに座っててね。いまお姉ちゃんとホットケーキを作るから。」と
加奈がテーブルの椅子を引きだしました。すると「ありがとう。」と優一がいい椅子に座りました。
そのとき台所では一夏がホットケーキの材料を用意していました。
「お姉ちゃん準備できた?」加奈がエプロンを着ながら入ってきました。
「うん。準備できたよ。じゃ作ろうか。」一夏達がホットケーキを作り始めました。
そして20分後・・・。ホットケーキが焼きあがりました。
「やった。できたできた。」加奈が歓声ををあげていると。「じゃ加奈がそれ持っててね。私がジュースを持っていくから。」
二人はテーブルへ運んでいきました。
「優一兄ちゃん出来たよ〜。」二人は椅子にすわり「食べよう。」と言いました。
「いただきま〜す。」三人はおいしそうに食べ始めました。
「一夏ちゃん達お料理上手だね。」と優一が言うと加奈が「お姉ちゃんが上手なのはこれだけだよ。」と言いました。
「なんですって。」一夏が言うと「本当に昔から仲がいいね。」と優一がいいました。
すると二人同時に「なんでこんなちびと。」と言いました。
「ははは・・。」優一は笑い出しました。「何がおかしいの。」二人が半分怒りながら聞くと
「なんでもないよ。」ともう一度にこっと微笑みました。
一夏達が三人で仲良く話をしていると「あっ・・・。もうこんな時間。」優一が言いました。
すると「もう帰っちゃうの?」加奈が聞くと「また来るからね」と優一がにっこと言いました。
玄関まで来ると一夏が加奈に「送ってくるね。」と言いました。
「じゃね。」加奈が玄関まで来て手を振りながら言うと優一も「じゃね。」と言いました。
歩きながら優一が言いました。「一夏ちゃんはうらやましいな〜。姉妹がいて・・。」
すると一夏が「妹がいてもただうるさいだけよ。」と言いました。
すると優一が「それがうらやましいのかもしれないな〜。」と言いました。
一夏はそれがどう言う意味かわかりませんでした。
桜の木下に着くと優一が「ここまででいいよ。」と言いました。
「じゃ、また明日学校で。」二人は手を振りながら別れました。
二人は別れたあと別々の道を歩きながら思いました。
「もうは別れ別れじゃないんだ」って・・・。
5話へつづく