さくら曜日(第7話原案書)2002/08/21、10/07(制作日です)
第7話
ピンポン〜♪
今日、一夏と加奈は友美の家にお呼ばれしました。
「はぁ〜い」
友美が元気良く玄関の戸を開けました。
「友美ちゃんこんにちは〜」
「友美お姉ちゃんこんにちは〜」
二人は友美にあいさつしました。
「一夏ちゃん、加奈ちゃんいらっしゃい
未来ちゃんも来てるから入ってはいって」
「おじゃましま〜す」
「おじゃましま〜す」
大きな声であいさつすると家に入り階段を上がって行きました。
友美が自分の部屋の扉を開けて
「さあどうぞ〜あたしお茶取ってくるね」と言い階段をすたすた下りていきました。
二人は友美の部屋に入りました
「一夏ちゃんこんにちは〜。加奈ちゃん今日は一夏ちゃんを連れてきてくれて
ありがとう♪」未来が満面の笑顔で言いました。
「はい!おねえちゃん連れてきました♪」
加奈がにこにこしながら答えました。
「何よそれ〜、まるで私がデパートの迷子センターにでも連れてこられた子供みたいじゃな〜い」
一夏は少し頬をふくれて見せました。
「良いじゃん今日は子供扱いでもねぇ〜」
「そうだよねぇ〜」
未来と加奈は二人で顔を見合わせながら言いました。
そして一夏の目を見てウインクして見せました。
「そうだよ〜今日は一夏ちゃんの誕生日なんだから」
友美が紅茶のポットとケーキの入ったお皿をお盆にのせて入ってきました。
そうです。今日は女の子たちだけの一夏ちゃんのお誕生日会です。
「お茶だよ〜」
「わぁ〜い。友美お姉ちゃん手伝うね〜」
加奈が友美の持ってきたカップに紅茶を注ぐお手伝いをはじめました。
「いつ見ても友美ちゃんの焼いたケーキってかわいくておいしそうだよね〜」
一夏がお皿に入ったケーキを見ながら言いました。
「ありがとう〜でもこれって本当に簡単なのよ」
友美が紅茶を入れたカップを配りながらにこりと笑顔で言いました。
「ほんと〜友美おねえちゃん。あたしにも作れるかな?」
加奈が紅茶を注ぐ手を止めて友美に興味津々に聞きました。
「加奈ちゃんにもきっと作れるよ♪いつでも教えてあげるから遊びに来てね」
「ありがとう〜友美おねえちゃん」
加奈がにこにこ笑顔で言いました
「ではあらためて〜。一夏ちゃんお誕生日おめでとう〜」
「おねえちゃんおめでと〜う」
三人は一夏に用意していた紙ふぶきをかけながら言いました
「みんなありがとう♪でも紙ふぶきなんて大げさじゃない?しかも部屋紙だらけになっちゃうし」
一夏が心配そうに言いました。
「気にしない、気にしない。またあとでお掃除すれば良いことだし・・・ね!」
友美がぽんぽんって一夏の肩を叩きながら言いました。
『みんな本当にありかとね・・・』
「じゃあさそっくケーキを食べましょうか♪一夏ちゃんケーキカットお願いしまーす」
未来が包丁一夏に渡しながら言いました。
「未来ちゃ〜ん。結婚式じゃないんだけど・・・」
一夏があきれた顔をしながら言いました。
「それいいかも♪ろうそく消すだけじゃありきたりじゃん」
友美が言いましたすると加奈も
「ぐっとあいであ(はあと)」って目をぎらぎらさせながら言いました。
「でも私包丁使うのあまり得意じゃないからこんなきれいなケーキぐにゃって
なっちゃうかもしれないよ」
一夏は不安そうな顔で言いました。
「これまた気にしない気にしない♪見た目が変わったって私のケーキまずくなったりしないからさ。
それとも私のケーキの味そんなに不安?」
友美が意地悪っぽく言いました。
「そうだよ、友美お姉ちゃんの言うとおりだよ。今日はお姉ちゃんの誕生日なんだから」
加奈も一夏にむかってガッツポーズ。
「じゃ〜さっそくいきましょうか。ケーキに一夏ちゃんの持ったナイフが入りました〜」
未来がうれしそうに掛け声をかけています。
「未来ちゃんその発言ちょっと怖い・・・」
一夏がケーキを包丁で丁寧に分けながら呆れ顔で言っています。
「でもそんな怪しい発言じゃないでしょ?」
未来が友美たちに問いかけました。
「・・・・・」
「うんもっ〜何でみんな黙るの〜」
未来が言った瞬間三人からいっせいに笑い声が飛び出しました。
「う〜んやっぱり友美ちゃんの作るケーキはおいしいね♪」
みんなでテーブルにケーキと紅茶を囲んでお茶会です。
「そう、ありがとう」
一夏たちのおいしいねの連発に友美はとってもうれしそうにしています。
「そういえば一夏ちゃん今日のりぼんなんか違うね」
未来が一夏の髪のりぼんを見てそう言いました。
「そうわかる?」
「うん、なんか新しい感じがする」
「これねぇ昨日優一君にもらったの。誕生日プレゼントだって」
一夏がほっぺたを夕焼け色に染めながら言いました。
「そうなんだ〜じゃあ昨日のお祭りのとき?」
「うん」
「ねぇねぇ。昨日のお祭りの時って何の話?」
加奈が興味しんしんって感じで聞いてきました。
「それがねぇ。ごにょごにょごにょ」
未来が耳打ちすると加奈が
「へえ〜そうだったんだ(はあと)」ってにこにこ。
「未来ちゃ〜んまた家の妹に変なことふきこまないでよ」
一夏が言いました。
「別に変なことじゃないもんね〜加奈ちゃん」
「そうだよね〜未来お姉ちゃん」
「う〜ん怪しい」
「ははは・・・。この姉妹に未来ちゃんが加わると面白いね」
友美は笑いが吹きだしそう。
「面白くありません」
一夏が頬を膨らませると四人いっしょに笑いがこぼれてきました。
そのあと三人はみっちり一夏から優一とはどこまで行ったのか話を聞き出すのでした。
そして四人はいつもの桜の木の下に来ていました。
「今日はありがとう友美ちゃん、未来ちゃん、加奈」
一夏はお礼を言いました。
「どうもこちらこそアツアツのお話ありがとうございました」
未来は一夏の肩をぽんぽんって叩きながら言いました。
「もう〜何でそうからかうかな?」
「ははは・・・ごめんごめん。今日は楽しかったよね友美ちゃん、加奈ちゃん」
「うん楽しかった♪また遊びに来てねみんな。何時でもケーキ焼くやらね」
友美はにこにこ笑顔。
「ふつつかなお姉ちゃんではありますがこれからもよろしくお願いします」
加奈が悪ふざけでそういうと
「わかりました〜しっかり面倒見ときます」
未来が笑顔で答えました。
「二人とも〜」
「あはは・・・」
四人の笑い声に桜の木の葉っぱがうれしそうに風になびいていました。
〜第8話につづく〜