mixi日記に載せたショートストーリー

まとめて掲載です(^^;


「桜の咲く季節」

今年も咲いたね♪しだれ桜・・・。
いつもこの時期になると思い出すんだぁ。
この公園で一緒に遊んだ、いつもあたしをまもってくれた男の子。
でも今はここにはいないんだ。三年前に桜の咲くころに引っ越していってしまったの。
あたしはその男の子が大好きだった。でもその男の子は気づいていなかったみたいだけど・・・。
あたしはその頃気持ちを伝えなくても良いと思っていた。
けど今は伝えたい。大好きだっていうこの気持ち・・・。
また会うこと出来るかな。会えたらきっと伝えるんだ。
今までのこの思い・・・。
「あなたのことが・・・だっ大好き!」


「病室から見る風景」

いつもここ(病室)の窓から見る風景。
今年もきれいに咲いたね、桜の花。
ここから見える桜は毎年遅れて咲くの。
もうここから見る桜は三回目だけどいつもきれいだなぁ。
私は病気だから近くに行って見ることはできないけど
でもいつかあの桜の木の下でお花見するんだ♪
おべんと広げてみんなで食べるの。
一緒の病院の友達と看護婦さん、学校の親友の真奈美ちゃんも呼んで・・・。
もちろんおべんとは私が作るよ。
サンドイッチとおにぎり、甘いたまご焼きに鳥のから揚げ。
他にもいっぱいお重に詰めるよ。でも上手にできるかな。
お料理苦手じゃないけどあんまり得意じゃないんだ。
でもできるよね。みんなのためだもん♪

私の病気はいつ治るかわからないけど。
ここからの風景を心に刻み込んで明日の手術がんばるね・・・。


「私の柴ちゃん」

私の家にはクッキーと言う名前の柴ちゃん(柴犬)がいるんだよ。
クッキーはとってもおとなしい女の子でちゃんとお手もするんだよ。
でもクッキーはお散歩はあんまり好きじゃないみたい。
それはね、クッキーがまだ子犬だったとき、私も小学校3年生だったとき一緒にお散歩に行ったんだ。
その時大きなワンちゃんにほえられちゃったの。
それが今でも怖いみたいで私が「お散歩行くよー」って言うとすぐ机の下にもぐっちゃうんだ。
そういうクッキーを見ていると私、なんであの時クッキーのことまもってあげられなかったんだろうって今でも思うんだ。

でも今ならクッキーのことまもってあげられるよ。だって5年生になったんだもん。
大きなワンちゃんがほえたって私がえいえ〜いって追っ払っちゃうんだから。
だから私と一緒にお散歩いこ。そして私と遊ぼう。
私の大好きなクッキー♪


「雨飴降れふれ」
しとしと、しとしと。今日は雨降りです。
あたしは雨はあんまり好きじゃないんだぁ。
いつもあたし思うの空にある雲は大きなわた飴で空から落ちてくるのは
いちごやオレンジ味のキャンディーだったらって。

この前こんな夢を見たんだ。その夢であたしは公園に出かけてて
すると空に真っ白な雲が集まってきて空から何か降ってくるの。
夢の中のあたしは傘を持っていたからその傘を差したの。
するとぱらぱらって空から降ってきた物が傘にあたるの。
あたしが周りを見ると丸くて硬いものが落ちていたの。
その丸いものはオレンジやピンク、黄色などいろいろな色をしていてとってもきれい。
あたしもしかしてこの丸いものってキャンディーかなって思って一つ口の中にポンっていれたの。そうしたら甘くて本当のキャンデーだったたの。
そこであたしは目が覚めちゃったんだけどもうちょっとこの夢見ていたかったなぁ。

今は梅雨の後半ぐらい。この雨が上がればきっと梅雨明けだよね。
梅雨が明けたら暑い夏。今年はどんな夏になるのかな?


ショートストーリー原案
キャラクター詳細
ちょっぴりドジっ娘な中学1年生の女の子。
小学校から好きな優斗くんに告白したいと今年の夏休みを
楽しみにしている。

「衣替え」
今日からもう六月になるんだね。新しい制服で中学入学してから初めての衣替え。
あたしの学校の夏の制服はね、上のブレザーを脱いで
半袖のブラウスを着て薄い生地のスカートをはくと
もう夏の格好になっちゃうんだ♪
もうちょっとおしゃれでも良いと思うのになぁ。

もうじき梅雨に入って明けたら夏本番。
あたしの小学校から大好きだった優斗くん、
同じクラスになれたけど
まだ「好きだよ」ってあたしの気持ち伝えてないんだ。
いろんなこと失敗しちゃったりしたけど笑顔で接してくれた優斗くん。
今年の夏は絶対「大好き!」って告白するよ♪


「下校時間」

「桃花(ももか)〜早くぅ、こっちこっち」
下校時刻の普段より人の多い電車の中桃花の友達が呼んでいます。
「あ〜ん美夏(みか)待ってよぉ。こんな人ごみの中じゃそんなに急いでいけないよぉ」
美夏が桃花をおいて隣の車両に渡っていきます。
「待ってぇ待ってよ」
桃花は泣きそうな声。隣の車両に渡った美夏が言います。
「桃花小さいからおいてきちゃったよぉ」
桃花が人ごみをかき分けて美夏と同じ車両にやってきました。
「う〜ん美夏ぁ早すぎるよぉ〜」
桃花が泣きそうな顔で言います。
「ごめん、ごめん桃花。それよりほらあそこに桃花の優斗(ゆうと)がいるよ」
美夏の視線の先、桃花が見るとその車両には一人の男の子がいました。
その男の子は桃花がずっと好きだった男の子だったのです。
『あっ、あたしの顔汗ですごい事になってるよぉ。あぁ〜恥ずかしいよ〜』
桃花はあわててハンカチで汗を拭き恥ずかしそうに顔を隠しました。
「あっ、桃花ちゃん今帰り?」
その男の子が桃花に声をかけました。
「あっ、うん、そうだよ。今部活終わったところ。
そうだ今日優斗くんの誕生日だったよね。プレゼント持ってきたんだぁ」
桃花は鞄を開け中をがさごそ探しはじめました。
でも鞄の中からは見つかりません。
「あれ?ごめんあたし忘れてきてみちゃったみたい」
桃花は目に涙を浮かべます。すると優斗は言いました。
「今日は良いよ桃花ちゃん、俺のために気つかわしちゃってごめん。
桃花ちゃんの気持ちだけでうれしいから」
優斗は桃花の顔を見ながら言いました。
「あたし明日は必ず持ってくるからね」
「うん、ありがとう」
ふたりは電車の中自分の気持ちに気づいたのでした。


「誕生日プレゼント」

「ももか〜、昨日忘れた優斗へのプ・レ・ゼ・ン・ト持ってきた?」
朝の電車の中美夏がニコニコしながら桃花に聞きました。
「うん、今日は持ってきたよ。一日遅れになっちゃったけど
優斗くんよろこんでくれるかなぁ?」
桃花が美夏に不安そうなまなざしでたずねます。
「大丈夫だよ。優斗は桃花からのプレゼントだったらきっと喜んでくれるよ」
美夏が桃花の肩をぽんぽんとたたきながら言います。
すると桃花はにっこり「うん!」とうなずきました。
「それよりさぁ。桃花、優斗に何あげるの?ちょっと見せて」
美夏がそうたずねると桃花はかわいい猫の絵柄の包装紙の
包みを取り出しました。
「これだよ。中身はねタオルなんだよ。
優斗くん部活でサッカーやってるでしょ。
だからタオルなら何枚あっても困らないかなと思って・・・」
桃花はうれしそうに話します。そんな桃花を見て美夏は思いました。
『あたしの優斗への気持ちはあきらめなきゃ。
桃花はこんなにも優斗のことが好きなんだもん。
桃花にも優斗にもあたしのこの気持ち知られないようにしなきゃ。』
ふと真剣な顔をした美夏。桃花はその表情を見逃しませんでした。

休み時間。桃花は美夏に押されて友達と話をしている優斗のそばに来ました。
そして美夏に肩をポンとたたかれて桃花は顔を真っ赤にしながら言いました。
「一日遅れだけどこれ誕生日プレゼント・・・。
タオルでこんな物しか思い浮かばなかったけど・・・
受け取ってください」
桃花は包みを優斗に差し出しました。
「桃花ちゃんありがと。大事に使わしてもらうね」
優斗はにこっと微笑みながらそのプレゼントを受け取りました。
桃花はそんな優斗の笑顔を見てまた優斗が好きになりました。


「あたしの居場所」

雪降る空の下あたしはふと思いました。
『今年のクリスマスきっと告白できるよね・・・』
あたしと優斗(ゆうと)くんの出会いは高校の入学式のときでした…。

〜二年前の春〜
「集合時間まで二時間以上ある。ちょっと早く着きすぎちゃったかも」
なつきは時計を見ながら校門の前でたたずんでいました。
「仕方ないよね、バス二時間に一本しかないんだもん」
校門の目の前にあるバス停の時刻表を見ながらため息混じりつぶやきます。
するとなつきの後ろに同じ新入生らしき男子生徒が声を掛けました。
「何バス停の前で考え事しているの?恋の悩みとか?」
『何この人。誰に向かって言っているの?』
なつきがそう思いながら後ろを振り返ると自転車に乗った男子がにたにた笑いながら話しかけます。
「何がそんなにおかしいんですかぁ!失礼ですよぉ」
なつきが少し怒った口調で言います。
「いやぁ〜そんなに怒らなくても良いじゃない。
俺はただあんたが真剣な顔してにらめっこしてたからさぁ。気になって」
なつきはこの男子が不思議に思っていることは分かっていた。
この学校は山間地にあって地元の生徒が多い。
わざわざ交通の便の良い市内地からこんな通学に不便なところまでバスで通ってくる生徒は少ないのだ。
「にらめっこなんてしてません。ただ本当にバスが少ないんだなぁ〜って思って・・・」
「あはは・・・当たり前だろう。このバス使うのはお年寄りとかで使う人が少ないんだよ。
だから朝7時から夕方6時台までの二時間おき、通学に使う生徒なんて一学年に数えるほどしかいないんだ」
男子生徒がそう言いながら自転車を降りバス停の目の前にあったベンチに腰を掛けました。
「あんたも座れよ」
「何であなたと一緒に座らなければいけないんですかぁ」
なつきがあせりながら言います。
「あんたも時間余って困ってるんだろう。俺なんかでよければ話し相手でもなれるかも知れないからさぁ」
男子が頭をぽりぽりかきながら言うとなつきは少し間を開けてベンチに腰を掛けました。
「そう言えば名前言ってなかったなぁ。俺は川上優斗って言うんだ。あんたは?」
「あたし?あたしはなつき、近藤なつき」
なつきは照れくさそうに言いました。すると優斗が言いました。
「なつきかぁ、良い名前じゃん。なつきって呼んでいいか?」
するとなつきはぱっと顔を赤くし「うん」とうなずきました。
「それでなつきは市内の学校じゃなくてなんでこんな山ん中のこの学校受験したんだ?
市内の方が交通の便だって良いだろうに」
優斗の問いかけになつきはうつむきながら言いました。
「あたし・・・本当は高校なんて受けるつもりなかったんだぁ。
親も担任の先生も受けろ受けろって、だから仕方なく受験した。
でも昔のクラスの子と一緒になりたくなくてこの学校を選んだ。動機不純でしょ」
なつきがそういうと優斗が首を横に振りました。
「なつきが前の学校でどんな思いで通って行ってたかは知らない。
でも前の学校がすごく嫌いだったことは分かるよ」
優斗が言うと少しなみだ目になったなつきがこう言いました。
「前の学校あんまりいい思い出ないんだ。この学校も前の学校みたいに
あたし嫌いになっちゃうかも・・・」
「じゃあ俺が学校好きにしてやるよ。もしなつきにやなことがあったら俺がなつきを守ってみせる。
だから学校が嫌いになるなんて言わないでくれよ。三年間いい思い出残そうな」
胸を叩きながらそんなことを言う優斗になつきはふと思いました。
『この人ならきっといいお友達になれる。ううん親友になれる!』
この日からなつきの新しい学校生活が始まったのです。


「バレンタインデー」

今日は2月14日、そうバレンタインデーだよ♪
昨日は稔(みのる)くんのためにがんばって手作りチョコ作ったんだぁ。
あたしあんまり料理得意じゃないけどお母さんに教えてもらいながら
一生懸命作ったんだよ。
その時お母さんったら「誰にあげるの?だれにあげるの?」って
しつこく聞くんだぁ。
だからねあたしは自分でも顔が真っ赤になるのが分かりながら
「お母さんにはナイショだよ」って言ったんだ。
するとお母さんは「まあ未来(みき)の大好きな人だからきっと
やさしい男の子なんだろうね。
でもその男の子が未来を泣かせることがあったら
お母さんに言ってね。私がぶっ飛ばしてあげるから」
ウインクしながら言います。
「そんなことしちゃあダメだよぉ〜」
私が大声で言うとお母さんは「あはは・・・」と笑いながらあたしの頭をなでてくれました。
きっとお母さんはあたしに勇気をくれたんだよね。

だから今日は一生懸命あたしの気持ちを伝えるんだぁ。
他に好きな子がいるからって振られても良いんだぁ。
だって今日は私の気持ちが伝えられる最後の日だから・・・。

だって今年は中学校最後のバレンタインデーなんだもの・・・。


2006-2007作山中ぶどう

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