2003年11月25日 最終弁論報告
−大勢の傍聴者で埋めつくされる−


 この日で戸籍続柄裁判の弁論が終わり、後は判決を迎えるという最後の口頭弁論でした。
  1時20分頃から傍聴の方が次々に席に座りはじめ、これでは傍聴席があふれてしまうのではないかと福喜多さんが心配を始めました。原告尋問や証人尋問ではないので、法廷があふれるということはないでしょと話していたら、更に続きとうとう裁判が始まるときには満席状態でした。嬉しい予想違いで、傍聴席を見ながら感動していました。
  このような傍聴者の多さに、裁判長も私たちにいってい配慮し、判決期日を後日に通知することを止め、その場で期日を決定することにしたのだと思います。おかげで、判決日がいつになるかまだだろうかなどと心配しないで済みますし、判決直前にあわてて「緊急」葉書で判決期日を知らせるということも必要ありません。そして今からその日の予定を空けておいてください!とお願いもできます。この裁判の関心の熱さだけは裁判長に確実に伝わっていることを実感しています。


<判決を書く左陪席裁判官異動>

  この日、左陪席の裁判官が変わっていました。裁判長から「裁判官が変わりました。このまま進めてよろしいですね」ということで更新手続きが終了しました。この左陪席の新しい裁判官が判決を書くことになります。口頭弁論わずか1回だけ出て、判決を書くということです。過去18回の膨大な書証や書面を読みこなし誠実な結論を出してもらえるのかということへの少々の不安と、証人尋問や原告尋問について生の声を聞いて心に受け止めてもらえていないのがとても残念です。しかし書面や書状をじっくり読んで差別記載は違法、違憲、条約違反であるとの結論に到達してほしいと願っています。

<最終準備書面提出>
  準備書面(16)、(17)を提出しました。準備書面(16)では、女性差別撤廃委委員が今年の7月に日本政府に出した 勧告 に触れ、韓国は戸籍続柄差別記載を行政実務上の差別であり、それが女性に対する差別であり条約に抵触すると判断していると主張しました。
  「コメント35項の婚外子の問題は、父親である男性を罰せず母親である女性のみを罰するものであり、女性差別である」
  準備書面(17)では、原告尋問と証人尋問の内容に言及しながら、戸籍続柄差別記載が婚外子の人としての尊厳を傷つけ人権を侵害する違法なものであり、不必要なものであることを明らかにしました。

  裁判終了後弁護士会館に移り、裁判報告・交流会を持ちました。傍聴に凝られた多くの方がそのまま参加されたので熱気と活気がありました。住民票続柄裁判以来という方や東海大学の谷岡さんが課外授業ということで今回も多くの学生さんを連れてきてくださいました。 皆さんありがとうございました。