参議院法務委員会              平成20年12月4日

 

 

国籍法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

 

1 本法の施行により、生後認知された子も胎児認知された子と同様、届出のみで我が国の国籍を取得することができることとなることにかんがみ、本法の趣旨について十分な周知徹底に努めること。

2 我が国の国籍を取得することを目的とする虚偽の認知が行われることがあってはならないことを踏まえ、国籍取得の届出に疑義がある場合に調査を行うに当たっては、その認 知 が真正なものであることを十分に確認するため、認知した父親に対する聞取調査をできる限り実施すること、当該父親と認知された子が一緒に写った写真の提出 をできる限り求めること、出入国記録の調査を的確に行うこと等につき、調査の方法を通達で定めること等により、調査のための万全な措置を講ずるよう努める こと。

3 本法の施行後、改正後の国籍法の施行状況について、当分の間半年ごとに当委員会に対し報告するとともに、その施行状況を踏まえ、父子関係の科学的な確認方法を導入することの要否及び当否について検討する等、虚偽の届出を防止するために必要な措置を講ずること。

4 ブローカー等が介 在して組織的に行われる虚偽の認知による不法な国籍取得の動きが生じてはならないことを踏まえ、入国管理局、警察等関係当局が緊密に連携し、情報収集体制 の構築に努めるとともに、適切な捜査を行い、虚偽の届出を行った者に対する制裁が実効的なものとなるよう努めること。

5 本改正により、重国籍となる子供が増加する事態が起こり得ることにかんがみ、重国籍に関する諸外国の動向を注視するとともに、我が国における在り方について検討を行うこと。

              

  右決議する。