しっかり生きるよう励まされた落合さんの講演

 

長谷川 けい子

 

落合恵子さんは、母親を7年在宅で介護し見送った経験から話し はじめました。シングルマザーの母として生き難い時代を生き抜きウツを病んだ母親に対する愛情、母親から娘に対する力強い励ましが、聞いている私の心を打 ちました。後期高齢者医療保険制度など高齢者をめぐる政策が当事者を苦しめている現実は「行き着く先は政治」と。そして印象的ヘアースタイルは、介護もあ り髪の手入れをする暇がないため、サッカー選手がシャワーを浴びてそのまま…の簡単さをまねたとのこと。そして、母亡き後も政治に怒っているイミで「怒髪 (ドハツ)」と命名し今も続けているという説明を聞き、ヘアースタイルに納得。

 「草の根運動の人とつながりたい」との思いが、地域で地道に「レイプ」の調査取り組みをした三多摩の女性たちにつながったそうです。また、「表札」「貧しい町」などの詩を朗読。学歴もなく定年まで働き続け、詩を詠んだ石垣りんさんへの熱い思いが伝わってきました。

 「人権で口をつぐむな!」はご自身の生き方だと思いました。落合さんの朝日新聞連載コラムを愛読していますが、「みんなの意見に、一人ででも反対した」女性について書いていました。本当に「多数決」は必ずしも正しくないのです。彼女が好きだというキャロル   キングの”Youve got a friend”(友達だから)の歌声が流れる中、私より3歳先輩の力強いメッセージを聞いて、残りの人生をしっかり生きるよう励まされた気がしました。

 質疑では満員の会場から次々と発言が続きましたが、遠くは九州、なんとニュージーランドの方もいて驚きました。特に印象深 かったのはテレビのディレクターという男性の 「メディアの職場では思い通りの仕事ができない」に対する落合さんのアドバイスで「多くの仕事の中にほんの 一つ、二つよいものが作れればよい。無理する必要はない」。参加者に対しては「ノーばかりでなくイエスを言おう!とてもよいドキュメントだった!と伝える ことで私たちが望むメディアに少し近づくかもしれない…」とも。ちなみに新聞のテレビ欄の局欄下に電話番号があり、そこに電話すれば必ずディレクターに伝 わるそうです。そんな視聴者の行動がメディアを良くし、頑張っているディレクターを励ますことになるそうですからぜひやってみましょう!

 住民票と戸籍の続柄裁判及び交流会の20年はそれぞれの差別記載を「変更」させました。多くの学ぶ機会と人の輪を作った田中さんと福喜多さん、本当に有難うございました。

(通信Voiceより)