希望がもてる婚外子への相続差別撤廃
福喜多 昇
「次の通常国会で民法改正を行う」という法務大臣の発言が報道された時は、法制審議会が民法改正案を答申してから十数年待た されてようやく法改正が実現かと思いました。しかし、すぐに鳩山首相の慎重論、続いて亀井大臣の反対論が報道され、政権が変わっても一筋縄ではいきそうも
ない現状を知らされました。大臣に会えたのは、亀井発言の直後です。
閣内でも一致できていないという状況を反映してか、私たちの要望に対して、千葉さんの発言は注意深く慎重で、決して歯切れの よいものではありませんでした。しかし、私たちの要望に対してはほとんど「そのとおりだと思う」と同意した上で、相続差別撤廃については「決して現状を続
けて良いとは考えていない」という趣旨の明確な意思表明がありました。出生届に嫡出子、嫡出でない子の差別記載をしないと受理されない問題や、戸籍の続柄 記載方法が変更になったにもかかわらず職権で訂正されていないため以前に作成されたものはそのままになっている問題などについては、「なぜできないのか担
当者に聞いてみる」という返事があり、大臣自身がこの問題に関心のあることがうかがえました。