長野市の中心市街地近郊の既存集落。敷地周辺は以前の畑からここ十数年で大きく様変わりし、住宅地へと移行している。今回の敷地も南側に畑が一部残っているだけで住宅が密集しておりそれほど眺望は期待できない。計画は母屋に隣接した離れ住宅である。二世帯のライフスタイルを如何に関係付けるかによって二世帯住宅の計画は大きく違ってくる。今回はその答えとしてお互いの独立性を意識し「離れ住宅」としている。当面は主(母屋)−主(離れ)の関係とし、将来は従(母屋)−主(離れ)となることも視野に入れた計画である。 「信州木造り工房」の第13作品目。お客様の要望は、将来を見据えた建物配置と薪ストーブによる全館暖房と癒しそして木の香りが漂う空間が求められた。敷地の東西の長さを活かせるように建物も東西に8.5間という水平ラインを意識したヴォリュームとし、将来的にもう一棟計画できるように比較的道路より奥まらせ配置している。 「信州木造り工房」の第14作品目。お客様の要望は、離れ住宅はシンプルかつコンパクト。この解答が延床面積27坪に凝縮されている。収納部分は片流れの屋根の余剰空間であるロフトを最大限活かしている。 外壁のガルスパンと木がこの建物のシャープさと柔らかさを表現し、今はまだコントラストとなっているが、後の植栽計画によってお互いに調和されることになるであろう。