佐久市の中心地に位置し、近隣には駒場公園あり近代美術館や図書館など文化施設も整った環境的に恵まれた場所に今回の計画敷地はある。以前この敷地にはお客様のお父様が経営されていた社屋が建てられていた。会社の移転に伴い転勤族であった息子さんが譲り受け、終の棲家としての家づくりに進展した。敷地は約300坪とゆったりとした広さがあり、北に浅間山を望める非常に眺望的にも良い土地である。 「信州木造り工房」の第13作品目。お客様の要望は、将来を見据えた建物配置と薪ストーブによる全館暖房と癒しそして木の香りが漂う空間が求められた。敷地の東西の長さを活かせるように建物も東西に8.5間という水平ラインを意識したヴォリュームとし、将来的にもう一棟計画できるように比較的道路より奥まらせ配置している。 1階の中央のLDKに吹抜けを設け、薪ストーブにより2階へと暖気が上がり、シーリングファンにより階段から1階へと循環するように計画。またキッチン奥にユティリティーを配置し、家事動線をコンパクトにしている。2階は子供部屋を北側に3室並列させ南側にホールやデスクを計画した。北側の子供部屋は光が一日を通じて安定し更に浅間山が望める。また将来の家族の成長に伴い可動間仕切りで可変性を持たせている。 まだ外構も植栽も未施工ではあるが、このロケーションを活かした計画が実現できればきっとすばらしい佇まいとなるであろう。