長野市郊外の南東部、土地区画整理により計画された分譲地の一画。敷地は角地で、北側の道路は将来の幹線道路(16m)となる予定の非常に条件の良い敷地である。 NPO法人長野県地域支援センター「信州木造り工房」の第二作品として、そのコンセプト、<1>北信濃の杉、<2>スケルトン、<3>ハーフビルド、<4>デザインされたローコストを更に進化させている。 建物の配置は、将来のライフプランに対応できるようにパブリックゾーンのプレイルーム/ワークスペースとプライベートゾーンの住宅で中庭をコの字型に囲み、独立性と求心性を両立させたプランとしている。その関係は、2つの片流れ屋根と平屋の水平ラインの外観に表現されている。 内部の間取りも全体をワンルームとして考え、中央のLDに吹抜けを設け、どこにいても家族の気配が感じられるようにして、更にライフスタイルの変化に対応できるように天井までの引戸で空間を分割、または融合できるように計画している。中庭に続くウッドデッキは現代の濡れ縁であり、内部と外部の関係をあいまいなものにしている。そこには日本文化の「間」が存在する。 玄関から続く土間に置かれた薪ストーブは、この建物を暖めると共にその炎は家族の心も温めてくれる。そして何より「光と風を感じ、木と土に包まれた空間」がそこにはある。まさに「癒される家」。