長野市郊外の南東部、市街化調整区域内の既存集落。計画建物は昭和初期に建てられた土蔵の屋根、壁の修繕である。5×2.5間(9100×4550mm)といった大きさは、このあたりの土蔵としては結構大きく立派なものである。施工にあたっては、屋根や壁のゆがみを下地にて調整し、仕上げでは細部の納まりに細心の注意を払うよう心がけた。 具体的には窓や扉廻りの縁取りの寸法と配色、更に腰壁のデザインは土蔵をひきたたせる重要なポイントとなる。材料の選定も合わせて左官職人の技術が融合し、今ここに新たな息吹が吹き込まれた。