長野市の南東部、欅の参道が500mもある長田神社は、900年余の歴史を持ち、伊勢神宮の分神で衣食住守るといわれる豊受大神が祭られている。建物の老朽化に伴い約300年ぶりに建替えが行われた。 新しい本殿は、伊勢神宮正殿と同じ「神明造(内宮)」で、現代においても金物は極力使わず、伝統的な木組みにより造られている。使用された木材は木曽檜と米ヒバ・米栂。祝詞(のりと)殿から本殿に入る端喰戸は扉軸と木が微かに擦れることにより「ギ、ギ、ギーー」となんともいえない神秘な趣のある音が鳴る。 ここより奥、本殿へは宮司のみが入る事が許される聖域であることを物語っている。