緑の森のペンション"Don Kato"


ドン加藤と家族カナガンの湖から曲がりくねった坂道を上り詰めたオリンパスウエーに加藤さんの家があった。玄関脇には、車庫が在り、家の前庭の芝が綺麗に手入れされている。また家の脇には大きなモーターホームが止まっている。二階建ての白く塗った板壁と屋根板で拭いた家は何となくアメリカ映画で見る様な感じだ

荷物を家の中に入れて、初めて対面するプモリが長い髪の毛を振りながら吠えている。今夜からお世話になる加藤夫妻に改めて挨拶をした。

家の中は大きく、玄関を入ると右手に来客用の応接間と食卓があり、トイレを過ぎると洋間(居間)と食堂がある。大きなスペースが取られ、壁は全て白い系統の色で統一されていた。

1964年ヒマラヤのギャチュンカンに初登頂した時の写真が飾ってあった。家具の脇には木目の彫り物が施してあり何となく落ちついた感じになる。プモリ

コヒーを飲んでから、加藤さんが私の為に用意してくれたベットをみる。

彼がヨーロッパ勤務時代のデンマークからわざわざ運んできた木製の立派なベットが一階の洋間に据えられている。その夜は歓迎会が開かれ奥さんの手料理がたくさん出される。ワインで乾杯する。

サケの刺身ご馳走私も長い馴れぬ飛行機の旅で疲れていたが疲れを忘れて気持ち良く酔った。退院してから初めての気持ちの良い酔い方だ。ご馳走をいただいてから、私はすぐにベットに移動してみるが高さも申し分無いものであった。しかし彼は私が夜中にベットを少し起こして使いたいと言うと、早速板をもってきてベットのマットの下に入れて傾斜をつけてくれた。

ドンちゃん宅で歓迎パーテーこれでトイレがあれば良いのだが,加藤さんの家のトイレも試してみたが一人ではなんとも移動が出来ない。もしもの時は、ベットでおしめをして赤子がするようにするしかない。そのおしめもトイレと一緒に送っていたためここには1回分位は何とかなるがそれ以上になれば足りない。明日になればわかる事だからトイレのことは考えない事にした。雨があがり外の景色も遠く湖の向こうに通りの灯りが綺麗に見える。星も出てきたようだ。庭に作られたプールの様な「ホットバス」があり早速旅の疲れをいやす事にした。

加藤さんと正典と二人がかりでホットバスに入れてもらう。

思ったより深くて驚いた。

中では足を完全に延ばしても大丈夫でゆったりと風呂に入れた。こちらでは日本の様な風呂に入るのではなく、水着を着て家族みんなでホットバスに入るそうだ。私たちも加藤さん夫妻と私たち4人が一緒に入り身体を暖めた。

こんなに楽しい風呂が在るとは初めての経験だ。中には寝られるようになっていて、私は横になって泡に打たれた。しばらくすると身体が温まり汗が顔から出てくる。久しぶりの汗の感触だ。

ペンションのホットバス寝て空を見ていると、さすがは北の国だ、星が綺麗だ。真上に北斗七星が大きく光っている。

その先には北極星がハッキリと見える。北極に近いカナダで見る初めての星空だ。庭にある大きな松の木の間から沢山の星が見える。

なんともロマンチックな感じの夜のホットバスであった。ホットバスから出ると冷たいアイスクリームがまっている。早速大盛りのアイスクリームを食べる。なんともすばらしい感じだ。アイスクリームがこんなに旨いものだとは思わなかったが、すっかりダイエットを忘れて食べてしまった。

長旅の疲れも忘れて遅くまで話をしが、明日からの行動計画を聞いてから休む事にした。初めの計画では明日にもキャラバンに出かける事になっていたが、明日一日身体を休めて、少し町に出てみて3日からロッキーの旅に出る事にした。

夜寝るときになって又しても仕事が待っていた。それは京子たちが二階の部屋に寝るため、私に何かあっても連絡ができないので、連絡用に携帯無線を使う事になったのだが、携帯の周波数をあわせたりテストしたりで苦労する。

携帯用の無線で私のベットから京子のベットにテストを正典とドンちゃんがやっている。やっとの事で周波数も合わせ準備をして置いたが、充電式でスイッチをいれっぱなしにして置くと、最近の機械は自然にofになる仕組みになっていて警報ブザーが鳴ってしまう。

何とかセットして寝る事にする。大きな客間での一人で寝ていると何となく退屈するものだ。

しかし今夜はホットバスで身体を暖めたために疲れも取れて良く眠れた。何かと忙しいような一日であったがカナダの初日が終わった。
次へ
Top

HOME