トランスミッション部完結編
さて、それでは最後にケ−スカバ−とケ−スのはめ込みです。
最後にチェック。
ギアの取り付けは正常か?
ワッシャ−の取り付け忘れはないか?
ギアの歯部、シャフトの挿入部、各ベアリングのオイルorグリスの塗布はOKか?
ちなみに上記の写真では上記の箇所をスプレ−式モリブデングリスにて塗布し
てあります。
そうしたらケ−スカバ−のガスケットを指定の位置にセットしてカバ−をはめ
込みます。
実は今回、このガスケットの位置決め用にもなっているダウエルピン(ノック
ピンとも言いますね)が2個ともカバ−側に付いて行っちゃいました。本来は
カバ−側にこのダウエルピン残るハズですのでこのガスケットもぴたっとセット
できます。今回はダウエルピンがないためにズレてしまうので手で押さえなが
ら慎重にカバ−をはめていきました。
手で押し込んでいって、最後にプラハンで軽くケ−スカバ−のカバ−の全面を
叩いてやってはめ込み完了です。
最後に5本のボルトを規定のトルク値(1.2kg-m)で締めこんで作業終了。
ご存知だと思いますが締め込むボルトが多数ある場合、「対角締め」と
いってボルトの対角〜対角〜と締めこまないと締め具合にバラつきが
でます。
これにてトランスミッション部の組み上げ完了です。
本来はこれが終わったらギアオイルとして4stのエンジンオイル(自動車の
エンジンオイル)を90ccギア部に充填するのですが、今回の場合、クランク
ケ−スの組み上げ時にまだケ−スを真横にしますのでまだ充填しません。
EGが組みあがった後の最後のお楽しみとして(^^;)とっておきます。
今回使用した純正パ-ツ
21395−GBL−870(トランスミッションカバ−ガスケット)
91021−GCW−003(ドライブシャフトケ-ス側のベアリング)
91022−GCW−003(ドライブシャフトカバ−側貫通部ベアリング)
91204−GN2−005(上記ベアリングのオイルシ−ル)
91028−GS7−900(ファイナルギア貫通部の密閉型ベアリング)
91254−GE8−005(上記密閉型ベアリングのオイルシ−ル)
なお、94〜96のAF34Eエンジンの方は上記部品プラス
96100−62023−00(ファイナルギアのケ−スカバ−側ベアリング)も必要です。
補足事項その一
ベアリングには、ご存知の方もいるでしょうが、「共通仕様番号」というのがあります。今回使ったベアリングですが、全て共通仕様にのっとったベアリングなのでホンダ純正部品じゃなくてもベアリング屋さんなどでも購入できます。詳しくは長くなるので割愛しますが、この4桁の番号で、「内径&外径」がメ−カ−が違っても統一されており分かるようになっています。
今回の場合、
ドライブシャフトケ-ス側のベアリング・・・「6201」
ドライブシャフト、ケ−スカバ−貫通部のベアリング・・・「6203」
ファイナルギア貫通部のベアリング・・・「6203接触型シ−ルベアリング」
です。
例えば、これをベアリング屋さんで、ホンダ純正部品で出てくる「P0規格」よりもっと等級の高い(つまり製造精度が高い)ベアリングに交換してみるのもアリかもしれませんね。現にキタコから、精密ベアリングという名前で「6203」のベアリングが出ています。このキタコのベアリングをドライブシャフト貫通部のベアリングに使用してみてもいいですし、今流行のSS1/32などの「町乗りしない割り切った車体」でしたら思い切ってファイナルギア貫通部の6203接触型シ−ルベアリングに代えてこのキタコのベアリングや一般の開放型ベアリングを投入するとかなりベアリングの回転フリクションロスが低減されるでしょう。シ−ルベアリングは異物が入らないという長所のかわりに回転抵抗が大きいのが欠点です。実際ここのベアリングは手で回すと他の開放型ベアリングに比べ極端に回転が重いのが分かるはずです。
あ・・・くれぐれも町乗りではやっちゃダメですよ(^^;)。開放型ベアリングですとブレ−キダストがベアリングに入り込みますからいっくら等級の高いベアリング入れたところですぐダメになります。等級が上がる=ベアリングの内部パ-ツのクリアランスのガタを減らしていくってことですから、異物の侵入に対して弱くなっていきます。
補足事項その二
また、ライブDioシリ−ズは、車種によってドライブシャフトとカウンタ−ギアの歯数を変えることによってギア比を変えています。ライブZXの場合、基本は13丁と41丁の組み合わせ(一次減速比は3.15)ですが、94〜96のライブDioはこれが12丁と42丁の組み合わせです(減速比は3.50)。
この2種類のドライブシャフトと、G’の40丁カウンタ−ギア(この場合、94〜96モデルのカウンタ−シャフトが要)を加えて3種類のカウンタ−ギアを組み合わせると6種類の一次減速比を作ることが可能です。最高速重視の13丁と40丁組み合わせ(減速比3.07)から、ダッシュ重視の12丁と42丁の組み合わせ(減速比3.50)まで選択が可能になります。先程もお話ししました、SS1/32などの割り切った加速仕様の車体を作るのでしたら、ファイナル部のベアリングを開放型のベアリングに交換プラス減速比3.50のギア比の選択でこの部分だけでゼロダッシュ仕様が出来上がると思いますよ。
あ、私は「街乗り&中高速の伸び重視の車体作り」が基本ですし、そんなスク−タ−にしてしまったら「ちょっとした足代わりに気軽に乗る」というスク−タ−本来の使い方ができなくなるので・・・こういう車体にはとりあえず今のところ興味はあまりないです(^^;)。
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