報告書:純正ジョルノクレアトルクカム



事の発端


 ライブDioZXユ−ザ−で社外プ−リ−に交換してタコメ−タ−でエンジン回転をチェックすると、「ん?」と気付くことがあります。変速終了直前〜直後の約60km前後でエンジン回転が約200回転ほど一旦落ち込みます。それと同時にここの速度域周辺のレスポンスが非常にダルく、これの改善方法として「ジョルノクレア前期のトルクカムを装着する」というのがライブチュ−ナ−の定説(笑)です。
 実際私もデイトナのハイスピ−ドプ−リを装着してエンジン回転数をチェックすると、変速回転数が7000回転に設定した時にやはり55〜60kmでスゥ〜ッと300回転ほど回転がドロップします。これではエンジンのいちばんオイシイトコロに谷を作っているような感じになってしまうので交換することにしました。



ブツについて



 まずおさらいから始めましょう(^^;)。左から94〜96、中央が97以降、
ぞして一番右か今回のジョルノクレアのトルクカム(以後Tカム)です。違
いは・・・よ〜くみてくださいね、Tカムに刻まれた「ヘの字」の穴の違い
です。




 まずは94〜96のZXのTカム。字で言えば「へ」の字の曲がる部分(黄丸部)
でかっちり折れ曲がっています。




 つづいて97以降のZXのTカム。写真だと殆どわかりませんが、実物では
先ほどの「へ」の字の部分が94〜96のTカムに比べカドを丸くなっています。




 これがジョルノクレアのTカム。穴のデザインが全く違うのが分かるでしょう
か。「へ」の字というよりもほぼ斜め直線に近いんです。


 これが何を意味するかというのは・・・一からお話すると非常に長いので割愛
しますが、結論は「変速終期の回転の落ち込みが無くなる」と「中高速域での
レスポンスの向上」です。
 このトルクカム、クラッチの仕組み、構造ついては相互提携させていただいて
いるりゅう@千葉市さんのサイトの中で詳しく研究されておりますので勉強したい
方は参考になりますので是非尋ねてみてください。



実験開始


 取り付けに関しては資料倉庫内に資料がありますのでそちらをご覧ください。
ついでにメンテナンスも行うといいですよ。Tカムのオイルシ−ルが結構へたって
きてオイルがにじんでベルトに付着して滑るという報告例をいくつか聞きますケチ
らないでシ−ル類は新品にすることをオススメします。

 装着してですが、まず・・・谷は見事に消えてくれました。レスポンス向上ですが、
40km以上出していて、一旦スロットルをパ−シャルに戻して再加速・・・という場合
に非常にすぱっとキックダウンをしてくれます。中高速でのアクセルレスポンスの向上
も効果ありです。ただし、逆の考えですと、中高速でもすぱっとキックダウンしてくれ
るのでアクセルレスポンスが若干シビアになります。



実験感想


 街乗り主体の方にはオススメします。結構街中ってストップアンドゴ−主体で
すが、中途半端な速度の遅い車の後ろにいて前がクリアになったときの再ダ
ッシュなども多いのできびきび走れるうになります。そしてハイプリ装着時の谷
がなくなるのでスム−ズに加速します。
 純正品ですので安価なのがいちばん良かったり(^^;)・・・。マロッシもこのパ
−ツを「トルクドライバ−」という名前でラインナップしています。ガイドのデザインは
完全な直線でキックバックがほぼリニアにできるようなデザインです。本当の性能
的にはこちらがいいのでしょうが、お値段が高価(18000円)なのか痛いです。

 個人的結論:遠乗り&ノンビリ走りたい方には巡航時にギクシャクする可能性が
あるので向きませんが、それ以外の方、特に外径の大きい社外ハイプリ装着の方
にはオススメです。


品番:23220−GEE−000  です。約3000円だと思います。



20020407