クラッチ周り&トルクカム周りのメンテナンス

 最近何かと話題になっておりますトルクカムですが、ノ−マル状態でも時々バラして部品のチェック&メンテが必要だと思います。トルクカム&ピンはかなり磨耗しやすいパ−ツですし、オイルシ−ル&Oリングも切れているのに知らないで走っていた・・ということもあります(今回がそうでした)。
 加速が引っ掛かる、スロットル戻して際加速の時に極端に加速がもたつくなど、センスプの可能性もありますが、トルクカム、ピンの磨耗もあり得ます。




 今回仕様するものです。まずクラッチ&センタ−スプリング&ドリブンフェイス&セカンダリスライ
ドリシ−プ(以後トルクカムと言います)の組み立て部。
 工具はラジペン、マイナスドライバ、クラッチセンタ−ナットを外すレンチ(今回はデイトナさんから出
ている専用レンチ、2500円を使用しますが、39mmのナットを外すことが出来る工具ですね)、それ
とグリスアップ用のグリス(ホ−ムセンタ−で売っているグリ−スガン内部用の補充グリ−ス、中身
は二硫化モリブデングリスです、いつもこれ使ってます)です。


 まずは39mmのクラッチ中央部のナットを外します。ナットレンチを掛けたら、そのまま地面に叩きつ
けると簡単にゆるみます。が、そのまま調子にのって緩ますと、外れた途端にセンタ−スプリングの力
でクラッチとナットが吹っ飛びますので緩める程度にしましょう。


 両足でクラッチを踏んづけながら慎重にナットを外し、ゆっくりセンタ−スプリングを伸ばしてナットの外
しは完了です。写真はセンタ−スプリングが伸びきった状態。ナットでセンタ−スプリングのこれだけの
張力を抑えています。


 中身の構成。右がクラッチ、中央がフェイス&トルクカムの構成部、右上がセンタ−スプリング(AF35ZX
の純正は赤色でした)と、スプリング内部に挿入してあるスリ−ブです。



 クラッチをひっくり返した状態。内側にある3本のバネがクラッチスプリングと言われるものです。
これを強いレ−トに交換するとエンジンの回転力による遠心力によって開くクラッチシュ−部の回転数を
上の回転数ににあげることが出来ます。ノ−マルが約4000rpmでクラッチシュ−部が開きます。


 さて、今回の肝心のドリブンフェイス&トルクカムの構成部です。これをさらにバラしていきます。
この状態ではスライドして開いたり閉じたりします。この開閉する部分の側面にベルトが走ります。


 写真部の部分にマイナスを入れてこじります。するとセンタ−スプリングの当たるスプリングシ−ト部
が外れます。
注意が2点!こじるとき奥まで差し込まないこと。中にOリングが入っています。それと一箇所だけじゃ
円周部全体をなくべんなくこじらないとスプリングシ−トが変形します。硬いですががんばってください。


 写真じゃ分かりにくいかもしれませんが、上記のシ−ト部を外すとグリスまみれの「への字」の形をした
くぼみが3箇所あり、そこにピンが刺さっています。これをラジペンで傷つけないように外してください。


 分解が完了したドリブンフェイス&トルクカムの構成部品です。
左がドリブンフェイス、中央上がセンタ−スプリングのシ−ト、中央がピン三個、右がトルクカムです。


以上がクラッチ系完全分解です。