ドリブンフェイス&トルクカムのメンテ


 まず、グリスをパ−ツクリ−ナ−などで除去、ふき取っちゃいましょう。
写真は除去した状態です。内側の上下にオイルシ−ルが二つ、外側の上下にOリングがはまっています。
ちなみに今回は外上部のOリングが切れていました。
 それとともに溝部をチェック、特に内側の溝部がスム−ズになっているかをチェックしましょう。結構この溝
がピンの可動によってささくれてたり、局部的な溝が出来ていることあります。こうなったら交換時期でしょう。

 ちなみにこのトルクカム、ジョルノクレア初期型(注:今のクレアはフェイスとトルクカムのスライドさせる方式自
体別物ですので装着不可です)のカムにすると社外プ−リ−装着時に起こる変速後期の妙な回転の落ち込み
が消えます。マロッシ社もトルクドライバ−というトルクカムのパ−ツを出しています。トルクカムの溝が2パタ−
ン、計6本の溝が彫ってあり、ほぼ直線の溝と、ちょっと曲線を描いている溝です。どちらもスロットルのつきが
よさそうですが、お値段がクレア用カムが3000円に対しマロッシは1万7900円!安いの好き(笑)・・・

 トルクカムを新品に交換するときは内側のオイルシ−ル、なるべく新品にした方がいいでしょうが、再使用
する場合はこれまたマイナスドライバで慎重に傷つけないよう外して新品カムに組み付けましょう。
 このOリング、年式によって変化がありますので部品注文の際はご注意を。


11/21追加:モトコンポを改造してAF34Eのエンジンを乗っけていらっしゃる、りゅう@千葉氏さんのHP
内にこのトルクカムとライブDioZXの変速の関係をまとめたペ−ジがあります。これがまたスゴい!よくまとめ
てありますので必ず参考になりますので是非ご一読を!
http://www.skz.or.jp/ryu/motocompo/tcam/tcam.htm


 組み付けに入ります。まずはさっき脱脂したトルクカムをグリスアップ。
内側、溝内はたっぷりと。外側、には軽くという感じで私はやっていますが・・・どうも内側のグリスはドリブン
フェ−スの内側の潤滑も兼ねているっぽいです。フェ−スにピン穴以外の穴あいているでしょ?あそこにトル
クカム内側のグリスが通ってドリブン内側にも届くって感じですね。


 さて、三つのピン(これもちゃんと脱脂して傷、へこみがないかチェックしましょうね)を元通りに差込み、
センタ−スプリングのシ−トをかぶせ、組み立て完了、組み立てに入ります。組み立ては取り外しと逆で
すので特に注意する点はないですが、クラッチのセンタ−ロックナットは今度は両足で圧縮した状態でナ
ットを締めます。両足に力が入っており、ナナメにナットを締めてネジ山を壊しやすいのでここだけは慎重
に・・・
 写真はセンタ−スプリングを置いた状態ですが、私、純正のセンタ−スプリング内のスリ−ブは、社外の
センタ−スプリングを入れたときにこのスリ−ブのせいでベルトが通常に変速していってもセンタ−スプリン
グ縮まりきらなくなって、そのときは「何が悪いの??」と悩んだことがあったもんで外しちゃってます。純正
スプリング自体も端面がちゃんときれいにクラッチに当たれるように末端部を平坦化してあるのでスリ−ブ
外しちゃっても大丈夫だと思うんですけど・・・
なにか支障あるでしょうか?一応今までこの原因のトラブルはないです。


 最後に緩ます時の逆で今度は地面に叩きつけ増し締め。ただしあまりバシバシやると次緩ますときが大
変ですのでほどほどに。適度な感じでやめておいた方がいいでしょう。ただしこの「適度な感じ」が難しいで
すね・・・


 と、いうことでお疲れ様でした!完了です。これで車体側に組んでいきましょう。
ベルトを引っ掛ける前にドリブンフェイス&トルクカムのベルト接触面を脱脂しましょう!ベルトにグリスつい
たら最悪ベルト減って無くても滑りが止まらなくなって使い物になりませんのでご注意を・・・

 写真は作業終了後のクラッチ&フェイス&トルクカムの組み付け部と除去したセンタ−スプリングのスリ
−ブです。

20011121