クランクベアリングの交換をお願いする


 最近、全開モ−ドで走っていると、走行後15分ぐらいすると、エンジン付近から「ジャ−」という音がしてくるようになりました。エンジン止めて冷えると音がしなくなるので「何なんだろう」と気にせず半月・・・
 ある日、エンジンをかけるとそのときから「ガ−」という音が・・・走ってみるとMaxが出ない。60キロ止まり。
ひょっとして・・・と走行後プ−リ−カバ−を開け、ベルト、プ−リなど、クランクに付いている駆動系の部品を外し、エンジンかけたが・・・音が消えませんでした。
 でました・・・AF34Eエンジンではよく起きると言われるクランクベアリングの不良です。まだ9000キロ。

 某オ−クションで中古エンジンを入手しようと思いましたが、マロッシのボアアップキットも待っていることですし、勉強もかねてエンジン下ろして、クランク、クランクケ−ス以外の部品を外してショップさんに持ち込む事にしました。



 概要ですが、外装は取りはずし(外し方の資料はただ今作成中です)、マフラ−、リアサス、クラ
ンクから燃料ポンプに行っている負圧のホ−ス、ブレ−キワイヤ−、リアタイヤ、電装(ライブDioZX
のエンジンの場合、類を外しハンガ−ボルトをひっこぬいて引き抜けばエンジンは分離します。
 20代前半、自動車の改造に燃えてた一時期がありましたが、そのときにやった自動車のエンジ
ン脱着に比べると気分的にも工程的にも余裕が生まれます。ゆっくりやれば誰でも出来ると思いま
すよ。


 リアタイヤはリアのブレ−キを握った状態で車のタイヤ外しに使うクロスレンチ使えば簡単に緩み
ます。ただ、エンジンを分離させるまでは緩める程度にして外さないほうがいいですよ。リアショック
外した瞬間にエンジンが落下します。


 今回はキャブ&マニホ−ルトとオイルポンプ周りは外さないで外しちゃいます。キャブはマニホ−
ルドの3本(一期エンジンは4本)のボルトでエンジンからキャブごと分離できますし、オイルポンプは
オイルポンプのワイヤ−のステ−を外しちゃえば刺さっているだけですのでひっこ抜けちゃいます。
 エンジンの付け根部分にごちゃごちゃ乗っかっているのがキャブ周り&オイルポンプ&ワイヤ−で
す。リアショック付近、なぜか荷札がぶら下がっていますが、これには訳があります。


 ハンガ−ボルトをひっこ抜き、分離させた状態です。ここまでで1〜2時間で出来ますよ。
外した電装のコネクタや、ホ−スには私はいつも荷札を付けます。今回で10枚ぐらい。自動車
のエンジンの脱着時には30〜50枚ぐらい使います。
 これ、二つ使う理由があるんですが、一つはもちろん外した部分の場所を忘れない事に為。
もうひとつ、こちらの方がある意味重要ですが、装着時の取り付けの忘れ、さし忘れをなくすため
です。組み付け完了時のチェック時、荷札がぶら下がっておる=付け忘れの個所があるって感じで。
慣れてくると後者のポカが私は多くて(笑)・・・


 車体、外装だけ元に戻し、車体はしばらくお休みです。軽い軽い!両手で車体持ち上げられるぐ
らい。
ちなみにキャブ〜マニホ−ルド部とオイルポンプ部は車体に残ります。
この写真じゃ見えませんが、先ほどのキャブ周り&オイルポンプはキャブにはフロ−ト部にガソリン、
オイルポンプ内部には2stオイルが入っています。上下がさかさまにならないようにフレ−ムからワ
イヤ−でつってあります。外してもいいんですけど、不要なものは外さないほうが俗に言う「二次災
害」が防げますので・・・
注:二次災害・・・たとえばオイルポンプを外したら、エアが噛んでしまったとか、チュ−ブからオイルが
           漏れてくるようになった、とかのトラブルを私はこう呼んでます。


 エンジン左側の駆動部、エンジンのシュラウド、空冷ファンを外し、今はフライホイ−ルを専用の
プ−ラ−で外しているところです。
 


 あとはヘッドボルト4本を抜いてヘッドはずして、プラハンで軽くコンコン叩くとシリンダが外れます。
そしたらピストンピンを抜いてピストンと小端ベアリングを取って今回の自分で出来る作業は終了
です。

注:この写真だけはスペア用の一期のエンジンです。今までの写真をよく見るとマニホ−ルドの
   止めボルトが4本なのが分かると思います。

 とりあえず、この状態から先はクランクケ−スプ−ラ−なるSST(特殊工具)が必要になります。
ライブDioAF34Eエンジンの場合、クランクケ−スプ−ラ−左右、ベアリング抜き具、圧入工具、
オイルシ−ルの挿入工具などなど、総工具10点、すべて自分で揃えると94160円(税別)の価格
になります。これではアプリオ買った方が・・・。
 と、いうことでここからはバイク屋さん、ショップさんに持ち込むのがいいでしょう。今回は私の妻の
ZZR250の時にお世話になったお店がホンダプロス店でしたのでお願いしました。クランクケ−ス
のサイドベアリング左右と、オイルシ−ル左右交換という形でです。「おそらくベアリングが割れて、
部品がクランクケ−ス内に散乱している場合がある、場合によってはクランク自身も傷が酷く交換
が必要になるかもしれない」と恐ろしいお店のメカさんお言葉が・・・でもそうなったらしょうがない、
と思い、よろしくお願いします、とお願いしました。
 事前の見積もりでは1〜2万は用意してほしいとのことでした。クランクが不良のときはプラス1万ほ
どです、とも・・・


 外したピストンを見てびっくり。ド派手な傷が入っています。シリンダは傷がありません。
なんか異物を吸い込んだ感じですね。
 ちなみに、これと関係あるのか分かりませんが、ピストンヘッドに1ミリ径ぐらいのクレ−
タ−のような跡がびっしりついています(ヘッドの燃焼室面も)。
 修理上がったらマロッシのピストン入れるのでもう使いませんが・・・

上記のクレ−タ−傷ですが、クランク分解時に原因判明しました。次ペ−ジで明らかになります。