クランクケ−スカバ−のめっき加工は?



 雑誌中やいろんなスク−タ−を趣味にされている方のスク−タ−のクランクケ−スってきれいにビカビカに輝いています。
 性能や速さには関係ないんですが、これだけはど〜してもやりたくて、ホントは性能に直結するところ以外にはお金をかけない・・・というのがポリシ−なんですがチャレンジみてみました。


 まず、基本的にクランクケ−スが光っているワケは2パタ−ンあります。


その一、めっき加工をしている。
 これはストレ−トにめっきをやっていただける業者さんにお願いしてやっっていただく。
あまり詳しくないのですが、ビカビカ輝かせるめっき加工にはクランクケ−スカバ−の
場合、大まかに電気めっきと蒸着めっきと分けることができます。


その二、バフがけ加工をしている。
 これは、電気めっきの下処理の中でバフがけといって表面をつるんつるんにしますが、こ
の状態のことです。
めっき加工をしないので、一般の人でも根性と時間があればできます。
ペ−パ−を180ぐらいから表面をかけていき、順に細かい(番手の数字の多い)耐水
ペ−パ−をかけて行って、最後に細かい粒子のコンパウンドやピカ−ルなどで磨き上げれ
ばそれなりにきれいに仕上がります。
 ただし、金属というのは空気と触れることによって酸化、つまり錆や腐食の進行が
スタ−トします。純正のクランクケ−スカバ−がなぜ黒色の処理をやってあるのかと言
いますと腐食を防ぐためでして、バフがけというのはその保護層を取っ払って、金属の
素の表面をむき出すことです。
 と、いうことはこの状態では定期的に磨いてやらないとすぐに酸化しますのでくすんでき
ます。ほったらかしにすると腐食してしまい(アルミは鉄の様に赤錆は発生しませんが、腐食
してきます)、どーにもならなくなります。つまり維持にも手間が掛かります。
 
 余談ですが、ホンダのリミテッドモデルのクランクケ−スカバ−はこのバフがけにクリアの
塗装をかけた状態ですね。クリアをふくとバフがけした表面と空気が触れないのでくすんで
はきませんが、本当のバフがけした表面みたいにビカビカにはなりません。クリアの層の分
だけ輝きが鈍ります。

お願い:めっき加工について上記の件で詳しい方、文中の間違いを指摘できる方、またクランクケ−スのめっき加工について、「こんなやり方があるよ」など、ご存知の方、是非アドバイスいただきたいです。メ−ルもしくは連絡帳にてお待ちしております。


 今回は、ときに真空蒸着めっき加工からチャレンジしていきました。どうしてか?といいますと・・電気めっきに比べて真空蒸着めっきの方がコストが安いから。
下地の処理に手間が掛からない、めっき厚が薄いのが理由とのことです。電気めっきは下地を一回先ほどお話したように磨きをかけ、さらに前処理してやらないとめっき処理ができなく、その手間分高いとのことです。が、電気めっきの方が厚く仕上げることができ、本当の鏡面処理が可能です。さらに耐久性や熱に対する耐性(蒸着めっきだと変色する)がよいので、ホントはこちらをチョイスしたかったのですが、加工に出した時点ではここまで知りませんでした(涙)・・・。
近々クランクケ−スカバ−の中古品をもうひとつ手に入れる予定ですので、こちらは電気めっきでチャレンジして比べてみようと思っています。

 余談になりますが、電気めっきも弱点があります。非金属にはめっき加工ができないということ(厳密には前処理によって電気めっきは可能らしいですが)。つまり、樹脂や木材などには不可です。逆の言い方をすれば、フェンダ−やカウルは真空めっきでめっきをかけてビカビカにすることができます。



 これが真空蒸着めっきのやり方で加工済のカバ−。
確かにめっき厚が薄いです。傷もつきやすく、例えば鉄の部品が強くめっき部分
にあたると削れてしまいます。めっき色は若干黄色がかった色。ただし、私の部
屋の照明が一般の蛍光灯色じゃなく、電球色の蛍光灯を使っていますので極端
に黄色っぽい写真になっていますが、実際は「やや」黄色っぽいレベルですよ(笑)。



 アップです。真空蒸着めっきの注意点ですが、電気めっきの場合、前処理段階で磨き
が入りますのでいいのですが、このやり方ですと加工前の表面の処理がそのまま
でます。例えば傷がついいたら、そのまま傷ごとめっきがかかるので消えませんし、
加工前は黒色の塗装がふいてありますが、その塗装傷や、削れも、そのままの状態
でめっきがかかります。この方法でめっきをかけるばあい、素材の元の表面状態が良
い状態であることが前提ですね。
 私のは、ボルトのささる場所の辺が塗装が削れている状態で加工にだしましたが、
めっき加工後もやはりそのままめっきがかかりました(笑)。



 と、いうことで、真空蒸着めっきの加工をお伝えしましたが、文中にあるとおり、来年のはじめにクランクケ−スカバ−がもうひとつ手に入りそうなので今度はそれを電気めっきのクロムメッキ加工でやってみたいとおもいます。ちなみ今回の蒸着めっきの場合3000〜5000円(今回は3000円でした)、電解めっきの場合5000〜10000円だそうです。ただ、めっき屋さんというのは企業相手で、例えば1ロット100個とかの単位じゃないと受け付けてくれないところも多く、一般の人、しかも一個だけを受けてくれる所も少ない・・・のも私の住んでいるところの近くの実情です。

その後、小口でやっていただけるところをなんとか探しました。