めっき加工の続き(電気めっき編)
あれから、小口でめっき加工をやっていただける業者さんを探し、ようやく引き受けていただける事業所を見つけました。
今回お願いしたところは東京にある「半井鍍金工業所」さんです。HP上では自動車、バイク部品のパ−ツのめっき部門ということで「メッキ工房NAKARAI」になっています。HPを見ると今まで加工したパ−ツが写真になっていて、この写真の中での加工済パ−ツのクオリティの高さにびっくりしました。ところで写真を見ていると・・・んん??見たことのあるパ−ツが。そうです、当HP常連さんの桃楼さんもご厄介になっている事業所さんでびっくりしました。
今回はHPから加工依頼をしてみたのですが、担当の方もバイクに詳しく、的確にアドバイスを頂けました。
工程ですが、今回の場合上から順に・・・
簡単に脱脂
塗装剥離
乾燥
バフかけ
完全脱脂
前処理脱脂
表面処理(溶剤で溶かす)
亜鉛置換
銅メッキ3層掛け
乾燥
バフかけ
ニッケルメッキ
クロームメッキ
洗浄乾燥
バフかけ
という順序です。真空蒸着めっきの時にくらべ格段に作業工程が増えているのが分かります。本番のクロ−ムめっき以前にこれだけ前処理を行うことによってあの厚みのある輝きができるわけですね。
と、いうことで加工を依頼しました。納期は2週間とのことですが、途中の銅めっきの機械の調子が悪く、今回は3週間の納期でした。まぁ、冬だからどうせ乗らないし、その分クオリティの高いお仕事をしていただければ・・・。で、届いたのが下記の加工品です。
コレが電気めっきカバ−加工済品です。
こういうモノは現物を見ないとわからないと思いますが、はっきりいって真空蒸着めっき
のカバ−と比べ物にならないです。めっきの輝きの深み、表面の硬度など、これは満足な
仕上がりですね。加工前にバフがかかるだけあって、ノ−マル鋳造時の端面のバリもキ
レイに消えてなくなっています。
ボルトも一緒にできるかも知れない、とのことでやっていただきました。
写真より現物の方がハッキリ分かるのですが、上が電気めっき、下が真空蒸着めっき
です。輝きと色が違います。電気めっきのほうがクリアかつ輝きが深い。真空蒸着めっ
きの方は若干黄ばんでいて、光に対して若干虹色がかっています。
これだと分かりますね。右が電気めっき、左が真空蒸着です。
左の方が表面がざらざらしていて、端面も粗いの分かるでしょうか?デジカメ持った私の
写り込み(^^;)も違うのがわかると思います。
写り込みはこんな感じ。前のペ−ジに真空蒸着めっきの時の同じアングルから撮った
写真があるので見比べてみるとはっきり分かると思います。
今回の費用ですが、クランクケ−スカバ−一本、脱脂、表面処理、前処理からめっき加工までの全工程で10000円でした。ボルトは今回はうまくできるかどうかわからないので失敗しても実験ということでお願いしたのでおまけしていただけましたが、5本で別途1000円だそうです。
真空蒸着めっきに比べ高価ですが、真空蒸着めっきはもともとの表面の強度があまりなく(表面に打撃を加えると剥げます)、経年変化で黄ばんできて、熱にも弱いので、長くこの輝きをたもちたい方、頻繁にカバ−を開け閉めする方はこちらをおすすめします。私は・・・絶対こっちですね。クランクケ−スカバ−の場合、コストが高い以外は真空蒸着めっきには長所が無いです(^^;)。
とりあえず結論。
真空蒸着めっき:
非金属なものにも加工可、コスト安だが熱やコスれに弱く、経年変色する。
非金属のダクトやエアクリBOXなどのメッキ加工に向いている。
電気めっき:
厚く深みのある皮膜により深い輝き、強度な硬度が取れるが金属以外は
不可能でコストは高い。金属全般に向いている。
って感じでしょうか・・・。
これがEGへの装着状態。前側がダクトで被さるのが残念。
これは真空蒸着めっきでダクトもめっき加工かな(^^;)・・・
最終的にはキックペダルも表面をならしてもらいめっき処理
していただきました。「HONDA」のロゴは私の自作で赤色に
着色してやりました。これであとは手をつけるところありません。
(注:キックペダルの加工&めっき処理は別途2000円です)
今回お世話になった「メッキ工房NAKARAI」さんのURLは
http://home.att.ne.jp/wind/nakarai/index.html/TOP.htm
です。デジカメで加工依頼物の写真を添付して送ると的確な見積りが帰ってきます。
結局使わずじまいの真空蒸着めっきカバ−は・・・どうしましょ(笑)。